時は半人獣(人間外人形生物)大虐殺時代。
人と特殊な能力、外見、趣向を持った者(半人獣)の宗教的問題や趣向の違いから戦争へと発展した。
政府は基本体はヒトである変形型人類と呼ばれる魔女や狼男、吸血鬼らに対し、抹殺命令を出した。
その規模は大きく、政府お抱えの人獣管理機関と呼ばれるいわゆる抹殺部隊が主となって、 危険視される人間を半獣として消去した。

半人獣と呼ばれる者達は、必ずしも全てが本物の半獣とは限らなかった。
外見が他とは異なるもの。精神的に生涯を負っているもの。
古くからの製法を守る薬師、辺境に一人暮らしの老人。
ただそれだけで、抹殺対象となったのだ。
本物の半獣や魔法生物達は殆ど居なかった為、 不気味な噂、偏見などで被害を受けた人たちのほうが多い事は明らかだった。

それから半世紀。
当初よりは収まったものの、未だ虐殺思考は消えることなく根付いていた。
ただ、この半世紀の間に抹殺部隊は政府機関の一として政治に関わる権利を得、 虐殺も「国の平和を守る」という名目上正当化された。



半獣の疑惑が関わっている者たちは全て抹殺された半世紀前、 その一部の人々が密かに生き延びた事はまだ政府には知られていなかった。
だが、ある一つの情報により、政治界で大きな力を持つ、ある一族に疑惑が掛かる。

彼の名前はJ・マレウス卿。
地位は伯爵。政治界で最も大きな勢力を持つ一族の当主である。

彼に掛かったのは、もっとも罪の重い、第一級吸血鬼疑惑だった――。



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