*このページには「童話シリーズ」の全ての話のネタバレを含みます。
本編を全て読み終えてから読む事をお勧めします。
また、製作者の作品を作った時の背景や思いが綴られています。
ご了承下さい。





始めましての方もいらっしゃると思いますが、こんにちは。
雨月クロです。
このページでは、補足やら謝罪やらズラズラと書いていこうと思っているのですが、
まずはじめに、読んでくださり、ありがとうございました!
此処まで足を運んでくださった皆様に感謝を送りたいと思います。

さて、「眠る少女の童話集」はいかがでしたか?
自分は、童話というものを書くのは初めてでした。
(この話が童話と言えるならばですが)
前からこの「童話シリーズ」は書きたいと思っていたのですが、
なかなか形に出来ず、漸く出来たのがこのシリーズです。

基本構造的には、グリム童話を基にした一話完結型の短編集ですが、
「少年の童話」「眠り少女の童話」のオリジナル2作はワンセットとなっていて、
このシリーズのプロローグとエピローグの役割を果たしています。
ネタバレですが、この二つの話の登場人物はある滅んだ国の少年と幼い妹の二人。
「少年の童話」で童話を手に入れた少年は、幼い妹の為に童話を読み聞かせる、
という話です。「眠り少女の童話」は読み聞かせた後の話になっています。

では、此処からは一作ずつの解説をしようと思います。



「毒蜜林檎飴はいかが?」

言わずと知れた、白雪姫を基にした話です。
美しい王妃とその娘の姫。
魔女の鏡。
毒林檎。
ただし、ここでは毒林檎は毒蜜林檎飴となっていて、
それを作るのも王妃ではなく姫の方。
そして、最後の一文。

(姫が大人になり、子を産んで、その子を毒死させようとするのはそう遠いはなしではない。)


そうです。これは実は白雪姫ではなく妃の話でした!
と、いう物語でした。
どうも自分自身白雪姫にあまり良い印象を持っていないのですが、
概ね満足です。
林檎飴に特に意味はありません。
ただ、毒林檎よりも子どもらしくて可愛いかな、と。


「硝子の靴はいらない」

シンデレラを基にしました。
魔法使いはお婆さんではなく、青年で、
彼女に恋した彼は硝子の靴を割ってしまいます。
ありがちな感じのお話ですが、
強引に彼女を手に入れようとしながら、否定されるのが怖くて、
俯く魔法使いがとても気に入っています。
本当は悲恋にしようか迷ったのですが、彼が可愛くてついハッピーエンド。


「人魚姫レシピ」

実は一番最初に書き上げたお話です。
このシリーズの中で一番毒が強く(基本的にこのシリーズは易しめですが)、
暴力シーンの上に最後発言が・・・・いえ、何でもありません。
魚嫌いの王子様という設定は気に入っているのですが、
殴らせたらあまりにも姫が可哀想でした。
でも姫はそれを受け入れているので、決して悪質な家庭内暴力ではありません(汗)


「お菓子の家密室殺人事件」

基となったヘンゼルとグレーテルはグリム童話の中でも好きな話です。
ただ、この話のお菓子の家の所有者のお婆さんは魔女ではありません。
しかし、よほど親に痛めつけられたのか、
この兄妹はお菓子の家を手に入れるべく殺人を犯してしまいます。
手を繋いで血を隠したかった。
書き上げて思ったのですが、白夜行みたいですね。


「眠り姫の遺書」

眠り姫には高貴なイメージがあります。
彼女の書いた遺書と、それを読む王子の描写で成り立っています。
眠れなかった姫が老いを恐れ、自殺する話。
この話はすんなり書けました。
終わり方も気に入っています。


「少年の童話」「眠り少女の童話」

先にも述べたように、この童話集のプロローグとエピローグ。
話自体の意味は凄く薄いのですが、他全ての話をまとめるのに
重要な役割を果たしています(多分)。




この作品、「眠る少女の童話集」では様々な物語での愛の形、
人という生き物の自分勝手さについて書こうと思っていました。
童話というものは幼い子供たちが読む、教訓を含めた物語だと思っています。
そこで、少し毒の強めな教訓的な童話を子ども達に向けて書きたいな、
と思ったのですが、毒は強すぎ・・・かな。

・・・流石に子ども達には無理ですが、
「心は清らかな少年少女」と思っている方々に読んでいただきたいです。


最後ですが、ここまで読んでくださり本当にありがとうございました!
サイトを頻繁に訪ねて下さる方や更新を待ってくれている方がいましたら、
更新遅くてすみませんでした。
これからも、自分のペースでサイト運営をしていこうと思いますので、
宜しければ、BBSやメールにて、感想や励ましの言葉など、少しでも良いのでお願いします。
皆さんの言葉を次回作に生かせたら、と思っています。


では、少し長めになってしまいましたが、今回はこれで終わろうと思います。
またお会いしましょう。


雨月クロ

by 070312